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【書評】特撮の巨匠、円谷英二の助手の物語「ヒトラーの試写室」

こんにちはまきのすけです。

今日はあの特撮界の巨匠、円谷英二さんの助手である柴田彰という人物について書かれた物語、松岡圭祐さん著「ヒトラーの映写室」という本の感想を書いていきます。

 

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円谷英二という名前を聞くと最初に思い浮かぶのはゴジラとかウルトラマンですよね。しかしこの物語は戦前、戦中の話でゴジラウルトラマンが生まれる前が舞台の話です。

この物語のころ円谷英二は当方の特技課というところに所属していて国策映画などの特殊撮影を手がけていました。

(ハワイ・マレー沖海戦や加藤隼戦闘隊)

ということで

あらすじ

この物語の主人公の柴田彰という人物は俳優を目指し家を飛び出しますが一切うまくいかずオーディションに落ちた所を特技課に拾われます。あとこのころにあの原節子に出会ったりもします。俳優にすらなれなかった彰は特技課で様々な映画を手がけ実力を磨いていきます。そしてドイツとの合作映画やマレー・ハワイ沖海戦などでの特殊撮影技術に感心していたドイツが、映画タイタニックの特殊撮影に困り果てていたため円谷に特殊撮影の依頼をします。そこで彰はドイツ語が話せることなどから妻子を日本に残し戦時中のドイツへと派遣され言葉も文化も人種も異なる異国の地でタイタニックの特殊撮影を手がけることとなります。その中で当時のナチス政権下のドイツで様々な出来事を乗り越えながら映画を作成していきます。

感想

この物語はノンフィクションだとは思えないくらい山あり谷ありの物語となっていてとても読みごたえを感じます。映画をプロバガンダとして利用するために直接訴えかけるのではなく戦争とはかけ離れた題材の中にメッセージを埋め込み、観衆が知らず知らずのうちにその思想へと傾倒するよう考えて作られているというのが記録映画のような日本の国策映画しか目にしたことがない私にとってはそういう方法もあったのかと感心しました。戦時中の日本の暮らしを知っていてもなかなか海外の暮らしを知ることは少ないですがこの物語であくまでナチス名誉党員の例とはなりますが知ることが出来る貴重な本であると思いますので皆さん是非読んでみてください。

最後に

この本はノンフィクションで主人公の柴田彰というのは仮名のようです。ただほかのナチス党幹部や日本の俳優などは本名なので「あ、この人聞いたことある」と思うこともありそれもまた楽しいです。

後記に黄金ナチス党名誉党員バッヂをもらったことを生涯恥じていたとの記述がありますが私は当時ドイツのトップがナチスだったからナチスに評価されただけであって、後世どんなにナチス自体が悪者として扱われようとも、このようにドイツに独り身で派遣されしっかりと実績を残されたというのは素晴らしいと思いますし、同じ日本人として誇りに思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 あ、あとブログのデザイン変えたのですが見辛いところなどありましたら教えてください。